14/06/24
『越谷真美という女』(俳優紹介)
真美は顔は整っているし、バランスの良い身体をしている。
人を思いやる器と、母性溢れる優しさを持っている
それなりに良い女だと思う。
ただ、暗い。
常に眉間に皺がよっていて目は何処となく虚ろ。
発する言葉の色が退廃的だ。
「元気ですか?」
と声をかけられても
「お前は元気なのか?」
と心配になる。
海外ツアーの最中もボソっと一言
「ひとりになりたい」
と呟いていた。大人なのに。
思えば真美の目が爛々と輝いているのを見た覚えがない。
何にワクワクし、何にグヒグヒ笑うのか私は知らない。
きっと『にごりえ』でもドンヨリとした眼で紫色の溜息をついているのだろう。
でも良いじゃないか。
舞台上では「ひとり」だぞ。
好き勝手にやりたい事をやって良いんだぞ。
終わったら家に帰って良いぞ。
カーテンコールも面倒なら出なくて良いぞ。
真美スタイルを貫け。
川村岳