06/11/15

YAMANOTE TRIP

「演劇と死」

本日「青い鳥」、「ファウスト」の通し稽古が行われた。
出演しない「ファウスト」は観ていて沢山のことを考えさせられた。

出来ているわけではない、完成しているわけではないが、何処に行こうとしているのか役者1人1人、1シーン1シーン、そして芝居そのものが分かっているように感じられた。

様式的な芝居では言葉は多くの意味を含み、1ポーズに様々な可能性が込められ、強くて美しい構図があるべきだと思う。
それらが芝居そのものの情報量を増やし、観客の思考を日常では到達し得ない領域まで導くのだから。

「青い鳥」も紙芝居の絵の数を減らしていくように、凝縮して密度を濃くし、温度、テンションを上げることで人物や状況の最大公約数を描きたい。

直感に従いここまで来た。
象徴性を高めるために今後は深く思考していきたい。

もう1つ
「演劇と死との親和性」について考えさせられた。

複式夢幻能では「生者」と「死者」の世界を往還することによって表現の魅力が生まれ、その「死の陰を引きずった美」は幽玄と呼ばれている。
近代以前「死者の世界」と「現世」が遠く隔たっていなかった頃、人々は不可視なモノを見、対話不可能なモノ達とコミュニケートしていたはず。

「死を感じる」ということ。
そこに思考を導く。そんなことが四畳半できっと出来るはず。

なぜならそれは、僕達の大先輩が大昔から行ってきたことなのだから。

野々下孝

06/11/14

YAMANOTE TRIP

「小道具四十八手」

最近、人を怒鳴る夢をよく見る「ちょいギレ」の名久井です。夢の中の僕は悲しい位、最強です。

さて、今回『青い鳥』では、役柄上、僕は小道具をよく使います。

そして、この3ヵ月間で試した小道具の数は数知れず…。ある日、小道具班の渡邉が僕の小道具を数えてくれた時は、
「名久井さんの小道具だけで48種類ありますよ!」
と溜め息混じり怒気混じりで教えてくれました。

それ以降も小道具は増え続けたので、ピーク時には55種類位ありましたでしょうか。小道具班みんな! 大変ご迷惑をお掛けしました!

思えばこの3か月間、小道具を相手に妄想を膨らませてきました。はたと目に入った部屋にあるガラクタを見てはメラメラと、街で見掛けた子供の遊び道具を見てはメラメラと興奮混じりに妄想を膨らませてきました。

百円ショップでは、おもちゃを手にして「領収書お願いします」という僕に怪訝な顔をする店員。
おもちゃ屋では子供と混ざっておもちゃを物色する僕に、警戒する、僕と同世代であろう子供の親達。そんな心暖まる出会いにもめげず、様々なものを物色して参りました。

その総決算が先日、演出から言い渡され、晴れて本番に乗る小道具、本番に乗らず、小道具からおもちゃや器具に戻るものが選定されました。

55種類からわずか数個が本番に上ります! 僕としてはホッとした反面、寂しくもあります。お蔵入りしたものの中には、個人的に気に入っていたものもありましたから。

今後は、小道具のエキスパートとして、“小道具四十八手”をものにしたいです!…役者として間違ってるか…?

しかし、これからが正真正銘の本番! 今回出会った様々な小道具の魂を舞台上でぶつけたいと思っております!

本番でどんな小道具が、どんな風に使われるか、会場でご賞味頂けたら、幸いです。

本番間近! ラストスパート頑張ります!

是非是非! ご来場下さいませ! 宜しくお願い致します!

06/11/13

YAMANOTE TRIP

「刻々と…。」

今日は休団中の真弓さんが稽古場にいらっしゃいました。沢山の差し入れを持って。真弓さんわかっていらっしゃる。バナナやみかん、チョコレート。忙しい時にちょこっとつまめてエネルギーになるもの。バナナの甘さが身にしみる今日この頃・・・疲れてんな〜。く〜真弓さんありがとうございます。
さてさて稽古も作業も糸車です…間違い、火の車です。頭も体も心もカラカラ音を立て始め、みんなピリピリしてきました。一刻一刻が大切。稽古もしたいが作業もせねば。右往左往してる間に、時間は過ぎていく。コクコクコクコクコックリサン。チーン。
私といえば、キューピーマヨネーズの〜タラコ〜タラコ〜たっぷりタラコ〜の歌が頭から離れず。幸い私はまぶたが腫れてタラコになっていないが←(根本美希の日誌より) 頭の中がタラコの歌で支配されている。
そして稽古を見に来たはずの、真弓さんにも稽古を見ずに、作業を手伝う・・・。なぜー!
劇団員の真美が、ぼそりと「私、無事本番が来るように、毎日祈ろうかと・・。」真美さんそれ大切〜。
でも祈るだけでは作品できないから、カラカラ言っている体を奮い立たせてもう一踏ん張り頑張りましょう。寒くなってきましたので、風邪などに気をつけてくださいね!
植田麻里絵

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休団中の水寄真弓です。
12月の企画公演の稽古が今日はお休みだったので、見学に来ました。
久しぶりの山の手事情社・・・。
相変わらず誰1人としてぼーっとしている人がいません。
稽古場ではメイン稽古、控え室では話し合い、物置では小道具作成、
作業部屋では衣裳制作、と、稽古もしくは作業をしています。
一通り回って挨拶した後、なんとなーく衣裳部屋にいたら、
出られなくなりました。
そう、山の手事情社衣裳作業部屋は「魔の部屋」と化すのです。
今回は2作品だけで44体も衣裳があるそうです。
針が手に刺さります。一度縫ったものを解きます。
そんな作業が山のようにあれば、人は穏やかではいられないのです。
それを吐き出すかのように、みんな独り言を言い始めます。
結局終了まで衣裳を縫っていました。
でもね、この部屋、嫌いじゃないんだなー。
とにかくみなさん、頑張って下さいねー!!!

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