06/12/08
おやっさんの演出
わかってるつもりだけど、つい忘れてしまいがちなことや、当たり前だけど難しくてあきらめてしまうこと。をおやっさんにしつこく言われる。
山の手の現場ではあまり言われないこと、多分当たり前のことだからいまさら言わないこと。
たとえば、「人に見せるために演じない。」「台詞は用意されたものじゃなくそのときに思いつくものだ。」「演技は反応である。」エトセトラ・・エトセトラ。
何回も何回も同じことを言う。もうわかったよ。と思ってから、はたと気付く。
自分が演技をつけるとき「何回も同じ事を言わせないで」と言ってしまっていたことに。大事なことだから何回も言うのだ。
おやっさんは元気がいい。無茶苦茶元気がいい。稽古場の誰よりも大きい声でしゃべり、誰よりも動く。すごい!しかも疲れをしらない。しんどい顔を見せない。このおやじ一体いくつなんだ?
多分おやっさんはすごく準備してる。そして、それを俳優をみながら現場でぶちこわしてる。頭が高速回転している。
でも、それを見破られない。
自分が演出するときと比べる。反省だ。当たり前だよ。大物演出家なんだから!でも勉強になる!
おわかりのようにおやっさんとはチェシラック氏のことである。日本語がわからないのをいいことに、自販機でジュースを買うおやっさんに「ここにお金入れてボタン押すんだよ、おやっさん。」などとタメ口をきいています。内緒にしといてください。
倉品淳子