08/05/19

摂州合邦辻

それなりに。

ニュースが報道される度に、
事件の裏でその家族は一体どうしているのかと
思わずにいられない。
マスコミに追われ、世間のうわさと白い目にすくみ、
でも生きている限り、日常生活は送らねばならない。

親である限り、
育てた責任を自分に問い続けたら――――。
時代こそちがえ、この舞台にも、
そんな家族が登場します。

良い舞台を作ろうと、
必死で頑張っている劇団の娘や息子たちに支えられて、
69歳もそれなりに頑張っています。

田口 美佐子

08/05/17

摂州合邦辻

すき間

お父さんとお母さんと娘と、
娘が嫁入った先の義理の息子とその恋人。

山の手版『摂州合邦辻』では
この家族がドラマを生みだしていくわけで すが、
劇中この家族のすき間に、
さまざまな妄想がふんだんに入り込んできます。

原作にはない「犬」や「女」たちは、
合邦一家のすき間にひそんでいる 妄想そのものです。
人間関係のすき間にあるかなり危険な欲望を、
強引に引きずり出し拡大 する「犬」や「女」。
昔気質なお父さんも、娘思いのお母さんも、
美男美女の俊徳丸カップル も、
実はどうにも処理できない欲望を抱えてるらしいことが見えてきます。

すると、ちょっと気持ちいいんですね。
「もしかしたら…なことあったりなんかして、
やっちゃったりして…。」
ということを大胆に実現していくと、ちょっと快感です。
合邦一族が妄想によろけていく様を、
すき間担当として横目で眺めてい るのもなかなか爽快です。

ただその中でも娘の玉手はスーパーです。
運動会のリレーでバトンの渡し方も分からず
ひとり爆走して、最後にそのバトンもへし折っちゃう感じです。
彼女はひとり、すき間なしの現実を生きてる感じもします。
あらためてそのスーパーぶりに感服です。

スーパー玉手とその一族すき間拡大バージョン、
初日まであと一週間、 ぜひご覧ください。

久保村牧子

08/05/16

摂州合邦辻

猫派の犬たち

今回私、犬役をつとめさせていただきます。
ところが私、犬派ではなく、猫派なんですが。断然。

だって、誰にでもしっぽふるじゃん。犬って。
おちつきないじゃん、犬って。
『犬達』よか、『犬どもめ』、てかんじじゃん。犬って。
同じく猫派のY本さん、
小雨が降る稽古場へ向かう道ばたで、
車の下で雨宿りする子猫をずーっと見守る程の猫派ぶり。もうすぐ稽古開始時間なのに。
そんなY本さんも、犬役をつとめさせていただきます。

そいえば、たしか10ヶ月ぐらい前の『摂州合邦辻』稽古のはじめに、演出家安田が、
『男優は…犬だ。』と言い放ったその時、
その場に居た劇団員全員の頭の上に
クエスチョンマークが一瞬見えました。
どえらい空気になったのを覚えています。
日本の古典作品に犬って…おい。

そんなこんなな猫派な『犬』軍団、舞台上では、
縦横無尽に駆け回りひっかき回しますよ!
汚しますよ!泡たてますよ!
初演よりもさらにヒートア〜プ!うりゃうりゃ〜!

昨日のだめ出しは『表情つけすぎ…』…調子乗りすぎです。

ちなみに犬嫌いUさんは、犬が前を通るたび、私の後ろに隠れ、犬との間合いをとります。
ところが、チワワ等の小型犬は大丈夫らしく、
その理由は、「勝てる気がするから。」
だそうです。

そんな犬ども…いやいや犬達ですが、初演を経て、
衣裳を大幅リニューアルします。
ぱっつぱつのボンテージな衣裳を一新、
どんな衣裳になります事やら、こうご期待。

そういえば稽古場にきた新人劇団員S野君は右手に食べかけの麦チョコの袋を握りしめておりました。
稽古場への道中、ちびちび麦チョコを口に放り込みながら稽古場にやってきたのでしょうか。
S野君、『犬6』任命します。

岩淵 吉能

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