08/05/08
「母」というもの
倉品です。
年齢のせいか見た目のせいか、
私「母親」の役が多いんですね。
そして、何か私自身母親をテーマにした芝居を作りたくて、先月末には福岡で60歳以上の女性11人とタッグを組んで三島由紀夫の「弱法師」を演出してきました。
何か、因縁めいたものを感じます。
福岡で芝居を作る前は(つまり前回の合邦の公演の時も)、母親という特殊な生き物がいて、それは女性がオギャーと子供を生んだとき、その生き物になっちゃうんだ、と思っていました。
冷静に考えたらそれは違うんだけど。
母親になるにはいろんな要因があるし、
母親だって人間だし女なんだけど。
でもなぜか、そう思っていました。
何か大事なことに気づいた気がしました。
そして、今回のこの合邦の母親は、まるで母親のエキスを抽出したみたいな人です。
私の中で何かが変わりそうな気がするのですが、
まだ、よくわかりません。
もしかしたら、言葉にできない感覚のことかもしれないし、誰にもわかってもらえなくても言葉にしなくてはならないことかもしれません。
演出の役割のひとつにいろんなことを言語化していくということがあります。
今回は俳優だから。
言語化の作業にそんなに追い詰められなくていいですからね。
大切に作っていきたいと思います。
倉品淳子