09/02/05
『drill』/香川照之研究
野々下です。
今、情熱的に香川照之を研究しています。
2000年カンヌ国際映画祭 審査員特別グランプリ受賞の中国映画 「鬼が来た!」。
かなり追い詰められてます香川照之。
理性とか知性とかを剥奪された獣のようです。
野卑で粗野。自分で判断せず命令と従順という関係でのみで成り立っている日本軍人を火の玉のようなテンションで演じています。
それにしても調べれば調べるほど演出家の姜文(チアン・ウェン)と役者の香川照之の関係が研究者とモルモットの関係に思えてなりません。
ここまで役者とは洗脳され、操作され、自分というものを放棄し、アイデンティティをぶっ壊されてしまうものなのでしょうか?
なんという職業!
自分の精神の核ギリギリまで、人格の根っこまで破壊し、再構築することで別の人間になれるのだ!!
そう言われているようで役者として身の引き締まる思いがします。
つうか引き締まりまくりました!!
自分の常識、習慣、癖、思考・・・。
「自分」というちっぽけな存在を作っている、様々な構成要素を改造して別人を作り上げる作業。
役になるってことはそういうことなのか・・・という考えにいたり、
『drill』で行う作業の仮説がたったようで血が沸き立つように興奮してしまいました。
まあ、それにしても・・
演出家とは恐ろしい生き物です。
そして
役者とは恐ろしい職業です。
野々下 孝