10/10/11
酒と武勇伝
「酒に呑まれると狐狸に騙されるけん、くれぐれも呑みすぎちゃあいかんに」
とよく私の祖母が言う。
21世紀になってから久しいというのに、都合の悪いとき、田舎者は今だに狐狸のせいにする風習…というか悪習が根強く残っている。
実際、近所のおじいさんが若い頃どこそこの狸に騙されて酷い目にあわされたとか、半ば武勇伝のような話が沢山残っている。
お酒を少し嗜む様になってから久しく、酔って気持ちが大きくなるのもわからんでもない。
酒に纏わる武勇伝、誰しも一つや二つあって当然。
しかし酒に纏わる事なので当然、事実を三割〜四割増しにしている事必至。
友達曰く、酔った勢いで憎い上司に大外刈り。
そんな馬鹿な。
別の友達曰く酔った挙げ句、鏡の中の自分と30分睨み合いの末、鏡の中の敵粉砕。
いやいや、あなたそんな我慢強い人だっけ。
今になってみれば祖母が何を言いたかったかと言うとつまり、「酒が入った武勇伝は狐狸に騙された話くらい信憑性に欠けるという事だから、あんたのようなお喋りさんは恥をかかないように、酒はほどほどにしておきなさいよ。」という事の様な気がする。
(あれ?誇大解釈?)
しかし、狐狸に騙された話も、武勇伝もどっちも聞くのは面白い。
そういった視点から観る「おとことお酒」もなかなか面白いのでは?
村田明香
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