13/05/28

道成寺/モルドヴァ・ルーマニア

R指定並みの表現

今回の「道成寺」で、僕は殺される若僧の役をやる。
そして、具体的に殺されるシーンがある。この殺され方が半端ない。
映画だったら確実にR指定にされる殺され方だ。
山本さん演じる妙念和尚に喉をつかまれ喉骨を砕かれ、
石を口に突っ込まれ歯を砕かれ、
そのまま石でぐちゃぐちゃになるまでぶっ叩かれる。

これを演劇でリアルに表現するのはおそらく無理だろう。
映像とか人形とか使えば表現できるかもしれない。
が、生身の役者の身体では難しい。
けれど、《四畳半》という山の手事情社の演技スタイルをもってすれば、
リアルには表現できないが、まるで残酷に殺されているように見せることができる、
と僕は思っている。そして、うまくすればリアルを超える恐さをも表現できる、
とも思っている。

これは紛れもない演劇の魅力 であり、《四畳半》の魅力である。そんなことを考えながら、シーン作りに励んでいる。どうにかして恐ろしい表現に一歩でも近づけたい。

海外ツアーまであとわずか。演劇の魅力、山の手事情社の《四畳半》の魅力、そして日本の魅力を世界に伝えたい。

谷洋介

13/05/26

道成寺/モルドヴァ・ルーマニア

A cherry tree/Hatsumi Fukutomi

A cherry tree.
I feel it?may be the tree which?most Japanese people love most.
Spring is the time when it becomes warm and people want to go for a
walk naturally.
And the cherry blossoms bloom at just right time as above scene.
However, after begining the blooming, cherry bossoms becomes in full bloom and falls soon, then after soon when the leaves appear, the attractiveness of its figure until several days before would change incredibly.
But, the people? don't care it.
Still the people look forward to the next spring.

Yamanote Jijosha has staged "Dojoji" many times so far.
"Dojoji" is a performance with many repeaters.
"Dojoji" of Yamanote Jijosha is the performance which got the heart of the Japanese audience like a cherry tree.
And we expect that it would?become a performance getting the heart of the world audience.
Don't miss it!

Hatsumi Fukutomi

桜。
日本人が最も愛している木ではないだろうか。
暖かくなりはじめて、そろそろ散歩に出かけたくなる春。ちょうど良いタイミングで桜は咲く。
しかし、桜は咲き始めたらあっという間に満開になり、散り、葉が出て、数日前までのかわいらしさが嘘のように姿を変える。人々の気持ちはお構い無しだ。
それでも人々は来春を楽しみにする。

山の手事情社は今までに「道成寺」を何度も上演してきた。
この作品は、リピーターが多い作品である。
山の手事情社の「道成寺」は、桜のように日本の観客の心を掴んだ作品だ。
そして、世界の観客の心を掴む作品になるに違いない。
乞うご期待!!
福冨 はつみ

13/05/25

道成寺/モルドヴァ・ルーマニア

日々攻城戦

今すぐどんな強固な門でも打ち破る破城槌がほしい。
でなければ城壁を破壊するカタパルト、投石器でもいい。
とにかく今、攻城兵器が欲しい。
当然実物ではない。心の中に欲しいのだ。
敵は言い表すなら弱い自分といったところ。
自分を守るために必要以上に強固な壁をいつの間にか何重にも造り上げてしまっていた。
よりによって「豊かな感情表現」ごと。今これが非常に厄介な障害になっている。

山の手事情社には独自の演技スタイル「四畳半」がある。
今にも暴れだしそうな激しい感情を身の内に生み出し、
どこの誰が見てもどんな感情を宿しているのか一発でわかるニュアンスを持ったポーズを作り、
さらにその体から呼び起こされる声で台詞を喋るというもの。
この、どこの誰が見てもどんな感情を宿しているのか一発でわかるニュアンスを持ったポーズというのはミソだと思う。
なぜならば、老若男女はもちろん、言葉の壁も越えて、観る人を感動させることが出来る可能性があるからだ。

今回のルーマニアツアーの演目は「道成寺」。
想いを遂げたい一身に、女が大蛇に化けてなお自分を捨てた意中の男を追いかけ取り殺してしまう昔話が元に構成されている。
世界各国女性と蛇がらみの伝説伝承は数あれど、他国の昔話をリアリズムで演じても伝えきれないものがあると思う。
そこで「四畳半」の出番である。究極的には解らないのは言葉だけ。ということも可能になるだろう。

しかし当然その稽古は苛烈。今まさにその基礎稽古を日々行っている。
先輩方にはそれぞれ「四畳半」へのアプローチの違いがある。
だから同じ稽古でも組んでいただく先輩によってほぼ感覚は別物といっても過言ではないものになるので、
常に新鮮な気持ちで新しい発見をすることも毎日のようにある。
とはいえ基礎基本は一緒。「豊かな感情表現」。
困ったことに私は今これが大の苦手である。自分ではかなり感情を表に出しているつもりでも、相手に伝わっていないこともしばしば。
何か思っても伝えなかったり、やっと口を開いたかと思えばつっけんどんな態度をとってしまう。危機感を感じる。
無意識のうちにどこかで自分で感情へのアクセスを遮断してしまっているのだろう。
そんな自分の妙な頑固さといったら厄介な城壁のように感じるのである。
だから一気に破壊するためのものが欲しいのだが、今しばらくは梯子を使って壁上からの攻撃に耐えつつ地道によじ登るしかなさそうである。

鯉渕 翼

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