14/01/27
『画竜点睛』
舞台は観客の視線にさらされて初めて本当の作品になるのだとつくづく思う。
ど緊張で舞台に向かい観客の目線や呼吸を肌で感じた時、今まで稽古してきたことに自信を持てるようになったり、逆に自分の至らなさに失望することは多々ある。
終演後、お客様の感想や激励の言葉に感激し、ありがたいなといつも感謝の気持ちでいっぱいになる。
それも理由のひとつ。
舞台に立った瞬間、今まで想像もしなかった感覚が身体じゅうを駆け巡ることがある。
たくさん稽古を積み重ねてきたのに稽古場では味わえない感覚がぱっと開かれる事がある。
扉がさーっと開いていく感覚。
なんとも言えない感覚。
言葉にはなかなかできないのだが、もしかしたら、作品の背後にある大きな魂みたいなものがあって、それを感じているということなのだろうか。
そういう時は観客も一緒になって感じているものだ。
舞台芸術にしか味わうことのできない瞬間だ。
観客の目が舞台を導いてくれるのだ。
「ドン・ジュアン」はもっと沢山の人に観てもらいたい作品だと確信している。
今日は休演日。
山の手の公演にしては珍しいスケジュール。
出演者達はしばし休憩をとって明日また劇場へ向かう。
後半戦、皆様の御来場心からお待ちしております。
岩淵 吉能